企業のロゴ作成をする際にデザイナーが気を付けるべき点とその工程

企業のロゴデザインは、その企業が今後長く使う非常に大切なものです。発注されたデザイナーは、単に自分のデザインセンスに任せてデザインするのではなく、その企業のイメージや特徴を損ねることなく、それでいて印象に残るロゴ作成をしなければなりません。

そのデザインの作成には、どういった要素の検討と、工程があるのでしょうか。

「プロ顔負けのデザインを作りたい!ロゴ作成を行うときのポイントを知っておこう」

企業イメージを考える

企業のロゴをデザインするには、まずその企業のイメージを意識しなければなりません。福祉系の企業なのに赤く燃え上がるロゴではイメージが合いませんし、スポーツ系の元気溢れる企業なのにモノクロカラーで重厚感あるロゴではいけません。

そこでまずその企業の業務内容を確認し、webサイトがあればそこで使われている色も確認します。ロゴを作ると言っても既にある程度、企業の色や明暗の感じが決まっているところもあるからです。特に、既にキャラクターを持っていたり、絵や字に関する特徴的なものがある場合はそれを利用する必要が生まれてくるでしょう。

キャラクターをロゴに含めた方がいいか、含めた場合の権利などは確認が必要です。そして企業ロゴには企業名も入る場合が多いため、文字のデザインも重要な要素です。例えばペンや筆に関連する企業であるなら、文字のデザインに積極的に取り入れるべきでしょう。

綺麗であるとか格好良くの前に、その企業に合ったデザインを作り上げることを優先する必要があります。

赤と青、黄色と緑から連想されるイメージ

色には一般的に言われているイメージが存在します。それは自分がそう思わないからと無視していい要素ではなく、しっかりと気を付けなければなりません。まず赤ならば、力強くエネルギッシュなイメージを持たれやすいです。

しかしマイナスな方面でも、警戒色だったり危険なイメージもあるため、扱いに注意が必要な色であると言えます。青の場合はどうでしょうか。青は落ち着いた気持ちや清涼感を与えるイメージと言われています。無難と言うと語弊がありますが、企業のロゴによく使われる安定感のある色です。

黄色は明るい色のため、気分も明るくなる、そして活力の沸いてくるイメージがあります。しかし少しだけ落ち着きのない感じもあり、軽率というイメージも付いてきてしまいます。

緑はバランスの良い色で、健康関連のロゴに向いています。生命力を感じさせるイメージですが、印象を与えるロゴという観点からは、やや地味な色と言えるかもしれません。

オレンジとピンクから連想されるイメージ

オレンジは非常に汎用性の高い色です。陽気な気持ちになるのと、人とのコミュニケーションの意識が働くと言われています。マイナス面ではちょっと目立ちたがりっぽい感じが出ているところでしょうか。ピンクはこれまでの色とは違い、特徴が特化されています。

とにかく女性のイメージが強く、色使いを間違えると下品な印象を与えかねないため注意が必要です。代表的な色だけでもこれだけ傾向が別れており、当然のことながら大企業はその企業の方向性に合った色のロゴを使っています。

ロゴ作成の際は、まず全体の色を決めるのが重要なポイントです。

形状のデザインと早めの方向性確認

そして形を考えます。よくあるパターンとしては企業の頭文字のアルファベットを強調して使う方法があります。これもまた、その企業がよく頭文字を使ってアピールしているか、そうでないかのリサーチが必要で、あまり使われていないのにロゴで使ってしまった、ということのないようにします。

ロゴ部分は絵なので、企業名を字として入れることを考えると色合いとバランスを見る必要があります。色や方向性が決まったら、自分のセンスでデザインしていきます。ロゴの作成を依頼されたのはその人の実績を見ての場合が多いため、自分のセンスで作っていけばとりあえず依頼主の想定から大きく逸れたものにはならないでしょう。

大抵の場合、3から5パターン違う物を作って選んでもらう形になります。これは契約段階の話になりますが、デザインする側からすればそのパターンを全て作り上げてから選んでもらうのではなく、大まかに「こんな感じでどうでしょう」という段階で見てもらうと、無駄な作業が省けます。

プロが作って素人がジャッジするという形になってしまうので、そこは完全に好みの問題になるということを意識しておくべきでしょう。そのため早いうちにジャッジする人の好みを察知し、舵を切る必要があるのです。ただし、企業ロゴの場合は完全に決定権を持った人なのかは確認が必要なところで、担当者がそれでいいと言ったから確定ではなく、さらに上の人の判断で覆ることもあります。

それを念頭に置いた上で、可能なら早めにできるだけ上の人にも意見を聞いておいた方が良いでしょう。

ロゴはベクトルデータで作成される

ロゴの具体的な作業工程は、ベクトルデータでの作成になります。多くの場合「Adobe Illustrator」を使用した「.ai」形式のデータになるでしょう。ベクトルデータは情報を点ではなく線の情報で持っており、拡大しても縮小してもデータが劣化しません。

もちろん、字や色も同様にデータとして保持されています。綺麗なまま拡大できるため、完成したロゴデータをどの場面で使うにしても、最高品質のものが使えるのです。このため多くのロゴは「.ai」形式で作られており、webサイトなどで使われる時は随時「.jpg」や「.png」データとして出力されます。

「.ai」形式は「Adobe Illustrator」がインストールされたパソコンでしか開けないため、特にデザインなどの業務を行っていない企業では開けない場合が多くなっています。そこで納品の際は、何パターンかのサイズで「.jpg」なり「.png」なりのすぐwebで使えるデータも添えておくと親切と言えるでしょう。

場合によってはデータだけでなく、いくつかの紙に印刷したパターンを同封すると受け取った側も確認しやすいかもしれません。特にロゴは、何か別の色の上に乗せられる事が多いため、色違いのいくつかの紙の上に完成したロゴを乗せてイメージを掴みやすくしておくのも、気の利いた提出の仕方と言えるでしょう。

デザインセンスだけで作るのではない企業ロゴ

このように、イメージに配慮し、色に気を付け、担当者の好みまでも計算に入れつつ企業ロゴ作成は行われます。企業の今後のイメージに関わるため責任の大きな仕事ですが、やりがいのある仕事とも言えます。これは企業のロゴでしたが他にもサービスなり商品なり、ロゴデザインの仕事は多岐に渡ります。

その仕事をする際は、ここでピックアップした要素を考慮しつつ行うと良いでしょう。

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